途端。パアーッと、眩しい光が右側から俺を照らした。見ると、トラックがこちらに突っ込んで来ようとしている。
「うっわあああぁ!」
逃げようとするが、体が動かない。
もちろん、トラックなんかも呼んでねぇぞッ!
「孝亮ェッ」
目をつぶり、死を覚悟した瞬間。襟首が後ろから掴まれた。グイッと引っ張られ、後ろに放り出される。
「イテッ!」
背中を強(したた)か打つと同時に、目の前で物凄い音がした。トラックが、ガードレールに突っ込んだのだ。
「なんだと!」
叫んで起き上がった俺の前に、突如、孝亮が姿を現した。
「この! 大バカ野郎! あれ程ここへは来るなと言っただろうが!」
ガッと俺の胸倉を両手で掴んで、恐ろしい形相で怒鳴りあげる。
「あれ……孝亮? 今のトラック……お前がやったんじゃ…」
ぶつけた背中をさすりながら、孝亮を見上げる。
「はぁ? 寝ぼけてんのか? お前」
孝亮は眉を寄せると、大きく溜め息をついた。
「…だって……あれ? どーなってんだ?」
「どーなってんだ、じゃねぇ! ……ったく。なんでここへ来たんだ」
胸倉を掴む手を離して、呆れた声で言う。
「なんでって……あんた、俺を殺したいんじゃないのか?」