「デク! たおれなけりゃ、負けじゃねぇかんな! おれは、まけてないッ」
言ってる間もポタポタと、かっちゃんの足の間から見える地面には、血が落ちる。
「オールマイトも、たおれねぇだろ。だからゼッテー、おれもたおれねェ」
んで勝つ!! と、言い放った。
「なんだコイツ!!」
「ナマイキなヤツだなッ!」
ドンッと中学生が、かっちゃんの肩を押す。
倒れたかっちゃんが立ち上がれば、頭を叩かれて。
また押されて、かっちゃんは倒れた。
何度倒れさせられても、その都度かっちゃんは立ち上がる。
オールマイトを取り返そうと、何度も中学生に挑んでいった。
ポタポタと、鼻血と一緒に透明な雫が、かっちゃんの足元に落ちる。
「このッ、しつけーんだよ!」
「泣いてるクセに、いつまでもツッかかってくんな!!」
「ないてないッ」
中学生の言葉を、かっちゃんがすぐさま否定する。
「泣いてんじゃねーか」
「ないてない!!」
「目ぇ真っ赤じゃ――」
「ないてないッ!!」
「いや、泣いてんじゃんよォ」
髪の毛を掴まれ、上を向かされても、かっちゃんは否定した。
「じゃあこれはなんだ? 真っ赤なお目々から流れてるコレは?」
小バカにしたように、中学生達が笑う。
ううッ、と唸って、かっちゃんが袖で目を擦った。
「かっちゃんは!! ないてないッ!!」