かっちゃん僕はッ、君を応援したいんだッ!! 3


 

 ピタリと止まったかっちゃんが、ゆっくりと顔を振り向けてくる。

 

 それはいつも以上に、僕への侮蔑と、嫌悪を含んだものだった。

 

「なんだ、いたんか」

 

 お前の存在なんかに興味ねぇわ、と言いたげな台詞に、目を瞠る。

 

 彼の顔は本当に――僕の事が嫌いなんだと判る、表情で……。

 

「おい爆豪。さすがにその言い方は」

 

「あぁ?」

 

 かっちゃんの怒りは、再び轟くんへと向く。

 

 ああそうか、とかっちゃんが口許を歪めた。

 

「『親友』は、そっちだったな」

 

 

 

 ――勝手に馴れ合ってろや、気色ワリィ。

 

 

 

 悪意に満ちた言葉に、僕の隣で「ちっ」と小さく轟くんが舌打ちしたのが聞こえた。

 

「ったく、どうしてお前はそうなんだ」

 

 くしゃりと苛立たしげに頭を掻いた轟くんを、僕は信じられない思いで見つめる。

 

 普段、他人に無関心な彼が、本気で怒りを露わにしていた。

 

 爆豪、と。

 

 踏み出そうとする轟くんを、横へと手を突き出して制する。

 

「緑谷……」

 

 驚いた顔で見てきた轟くんに目を向けてから、かっちゃんを見た。

 

「かっちゃんがなりたいのは、轟くんの親友なの?」

 

 僕が言った途端、サッとかっちゃんの顔色が変わる。ギロリと赤い瞳を向けてきた。

 

「……ウッセェッつっとんだ。クソナードがァッ!!」

 

 コロすぞ、と云わんばかりの声で言い放った。